【完】スマイリー☆症候群



「くしゅん!」


え!?

物寂しげな空気に響いたのは、何ともわざとらしいくしゃみ。

それはまるで、自分の存在をアピールするかのような、あからさまなもので。

そしてその犯人である隣の彼女は、「あ、ごめん」と悪戯っぽい笑みを浮かべた。

笑佳……あんた、わざとやったでしょ!


『ん? 誰だ』


ちょ、いやあああ!

案の定こちらに気づいてしまった亮介は、ゆっくりと私達の元へと近づいて来る。


「ああ、ちょっと、どうするのよ笑佳ぁ!」


このままじゃ、マズい。

取り敢えず助けを求めようと、私は一気に振り返った。

……が、しかし。

そこには、既に彼女の姿はなかった。

えーみーかーーっ!?



< 307 / 314 >

この作品をシェア

pagetop