【完】スマイリー☆症候群
「くしゅん!」
え!?
物寂しげな空気に響いたのは、何ともわざとらしいくしゃみ。
それはまるで、自分の存在をアピールするかのような、あからさまなもので。
そしてその犯人である隣の彼女は、「あ、ごめん」と悪戯っぽい笑みを浮かべた。
笑佳……あんた、わざとやったでしょ!
『ん? 誰だ』
ちょ、いやあああ!
案の定こちらに気づいてしまった亮介は、ゆっくりと私達の元へと近づいて来る。
「ああ、ちょっと、どうするのよ笑佳ぁ!」
このままじゃ、マズい。
取り敢えず助けを求めようと、私は一気に振り返った。
……が、しかし。
そこには、既に彼女の姿はなかった。
えーみーかーーっ!?