【完】スマイリー☆症候群


「怖かったの」

「ん?」

「あんたが離れてっちゃうんじゃないかって」


そう、私はずっと亮介の側に……。

我が儘だけど。我が儘でも、そうなの。


「犬塚? 離れるというのはよくわからんが、俺は別に怒っているわけではないぞ」

「へ?」

「君がさっきうずくまっていたから、体調が悪いのかと思ってな。でも、大丈夫そうで何よりだ」


……何それ。

優しすぎんのよ、あんたは。

心臓が、大きく揺れる。

熱い。

やっぱり私、いつの間にか……。


「ありがとう」


今日は、素直になってもいいよね?

……にしても。


「亮介、私が厄介ってどういう意味よ!」

「えっ、えっと、それはだな……」

「それに、好きかもわからない?」

「いや、その」


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