【完】スマイリー☆症候群
「好き。私は、あんたが好きよ」
「……っ!?」
ドクン、ドクン。
目に映るのは、亮介の驚いた顔。
言ってしまってから、じわじわと気恥ずかしさのようなものが襲ってきて。
「あー! ちょっと、早く何とか言いなさいよ」
「す、すまない」
私は逃げ出してしまいたい衝動を抑えながら、じっと亮介の姿を見つめた。
「……ありがとう。何というか……凄く嬉しい。こんな気持ちになったのは、今日が初めてだ」
「っ!」
ダメ。
そんな真剣な瞳で見つめないでよ。
「犬塚。……俺も多分、君のことが好きだ」
「……多分って何よ」
「あ、いや」
私は亮介に悪態をつけて、小さくその瞳を睨んだ。
そんなの、冗談。
別に、文句が言いたかったわけじゃない。
……それはただ、心を占める感情を誤魔化すため。
だって、嬉しくない筈がないでしょ。
「嘘よ、嘘。……ありがとね」
私は亮介に近づくと、その胸にふわりと顔を埋めて、囁くように告げた。
……すると、突然。