【完】スマイリー☆症候群
「あ……もう着いちゃったみたいだね」
「案外、時間が経つのは早いんだな」
「そうね。んじゃあ、今回のしりとりゲームは時間切れってことで、清水の罰ゲームもナシね」
椿ちゃんの女神の囁きに、さっきまで沈んでいた清水くんの表情も次第に和らぎ、パァーっと明るく染まる。
「え。それ、マジですか? うおおおおっ! ありがとう……本当にありがとう、お前等ァ! いや、天使達よ!」
清水くんは、涙ぐみながら私達に何度もお礼を言った。
バスが空気を読んでくれたお陰で、修学旅行をとっても楽しめそうな気がする。本当によかったよ。
「お前等早く降りろよー?」
「へーい」
時が経つと共に、満ち溢れる緊張感。
京都への期待に胸を膨らませ、私達は颯爽とバスを降りた。
そして、バスから降りた私達は新幹線に乗り換え、揺られること数時間。
漸く待望の京都の街に到着し、しっかりと足を踏み入れた。