【完】スマイリー☆症候群



「よーし! それじゃあ、今から先生が言う“安全注意事項”を復唱してくれ」

「はー!?」


あ? いきなり何言い出してんすか、このオッサ……や、違った。この白鳥は!

白取の意味不明発言に、俺達は一斉にやじを飛ばす。


「ひとーつ! 知らない人に声を掛けられたら絶対について行かない。……はい!」

「……」


しーん……。

当然の如く、ピタリと静まり返る場の空気。

それは、芸人が渾身のギャグを全力でやって全力でスベってしまった時に起きるような、何とも言えない微妙な空気だった。


「何だ? お前等早く復唱しろよ」


いや、そんなキョトンとされましてもね。


「……あの。白取先生? この際はっきりと言いますが、このご時世、今時そんなこと知らない奴なんて何処にもいませんって」

「うっ……そ、そうか……。わかった。それじゃあ、それぞれ班ごとに出発してくれ」


よし来た!

さっきの指摘がよっぽど悔しかったのか、どんより暗いオーラを放つ白取が口を開いた瞬間、俺は勢いよく立ち上がった。

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