【完】スマイリー☆症候群
「いやーごめん、遅くなっちゃって」
顔の前で強く手を合わせ、ギュッと目をつむり謝罪する彼女。
「そういえば、清水くんは?」
そう言う宮永は眉を垂らし、少し困った表情を見せる。
そう言われてみれば。
辺りを見回す。しかし、いくら目を凝らしても見付からない、清水の姿。
おかしいぞ。清水は、犬塚と一緒にいたはずじゃ……?
「まさか」
その時、ある説が頭を過ぎる。
「まさか犬塚、君がさっきの数分間で清水を監禁……」
「しないわよ! 何で私がそんな犯罪じみたことしなくちゃいけないの」
キーンと耳にこびりついて離れない、彼女の声。
む。……また怒られてしまった。