【完】スマイリー☆症候群
「……清水なら」
「おーーい!」
「……っ」
突然、遠くから大きな叫び声が聞こえ、俺達は瞬時に振り返る。
「清水くん!」
両手を振り上げ、こちらに向かって走ってくる人の影。
その正体は、行方不明となっていた清水だった。
「無事だったか、清水」
少しして俺達の元に来た清水を、俺はじっくりと見回す。
大丈夫みたいだな。見たところ、怪我もしていない。
「植木くん……?」
「……亮介……」
「何だ?」
宮永と犬塚に名前を呼ばれ、顔を上げると、突如鋭い何かが俺に向かって飛んできた。
それ――2人の視線が、チクチクと全身に突き刺さる。