A VIRUS WARS
第2章・失われていく家族、友人
どうしてこんなことになってしまった
今、バラエティー番組の収録が終わった。
俺、明石光輝は帰る支度を始めた。
「光ちゃん。一緒に帰ろう。」
と言ってこっちに向かってくるのは萩野敦ことあっちゃんだ。
「うん。
待ってあっちゃん。」
あっちゃんは親が共働きで家にいることが少ない俺にとってお兄ちゃんみたいな人だ。
あっちゃんとは家が隣近所で小さいころからいろいろと面倒みてくれた。
すごくバカな俺に呆れず理解するまで勉強を教えてくれたり、時には学校で、停学処分になるような不祥事を起こしたときも、親以上に厳しく叱ってくれたりした。
芸能界に入るきっかけを作ってくれたのもあっちゃんだった。
そんなこんなであっちゃんは俺の人生の恩人でもあった。