A VIRUS WARS







ガラッ











「誰だよ」






教室に入るとそこにいた男子全員が振り返った。











「おぉ駿じゃん。仕事もう終わったのか」










普段どおりにしゃべってくる奴ら。











全部聞いてたんだよ俺は。






「…………ふざけんなよ」











「へっどうした駿」








「俺の悪口みんなで言ってたくせに…全部聞いてたんだよ。」









みんなの表情が一気に変わった。











「聞いてたのかよ」






「まっそういうことだから」







分かってたけどショックだった。









「史弥も俺のこと」




「あぁ嫌いだよ。大嫌いだ。お前なんて」








“大嫌い”





「親友とも思ったことなんか一度もなかったよ。まっモデルだし一緒にいれば目立つなと思っただけ」













ポタッ













泣かないはずだったのに涙が溢れてしまった。










最初から親友なんていなかったんだ俺には。








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