笑顔だけじゃ物足りないから
汚れていく夢
「はぁいっ、どぉぉーもっ!!よろしくお願いしまーすっ!サイクリングと申しますぅ!」
俺の相方ことツッコミ担当の前谷秀哉のこの言葉で俺らのストリートでの漫才が始まる。
あーあ、今日もすっくないお客さんやわ。
どーせ、シケた金しか貰われへんやろーな…。
「……っぉい。お前…!何してんねんっ…。はよ、ボケろやっ…!!」
秀哉が俺に小声で言った。
「…ぇ?あっ…。そっ、そーなんすわぁ!もうっ、俺も相方チェンジしてほしいっすわぁ〜。」
「何を言うてんねんっ!満足やろがっ!ま・ん・ぞ・くっ!!そんなこと、どーでもええねん。あのな…………」
最初の掴みは最悪やったものの、なんとか漫才を終えた。