笑顔だけじゃ物足りないから




小枝が全く俺らに顔見せんくなったんと同時に俺自身も漫才に対する想いいれが弱くなってった。




「祐樹、もう一発やるで。」



「えー、もう十分やったやん。」



「十分て、3回しかしてないやんか。」



「はぁ・・、どうせやったって客数変わらんて。」



「っ、お前なぁ・・そういうことちゃうやろっ・・・!」



「それに俺用事あるし。」



「なんやねん、用事て・・。」



「コ・ン・パ☆秀哉もくるか?」



「・・・っざけんかなやっ!!」



「ふざけてなんかないわ。秀哉だって思うやろ?こんなんやっとたって食ってかれへんやん。せやろ?ただでさえアルバイトで精一杯やぁいうのに。」



「チッ・・もうええわ・・・。ホンマ小枝もかわいそうやわっ・・!勝手にせぇっ。」



秀哉はそう言うてどっか行った。




ふっ、俺ってホンマ最低な人間やなぁ・・・。




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