笑顔だけじゃ物足りないから
「ほらほらっ、座って座って!!」
「うぁ、はいっ」
下からその女に引っ張られた。
にわかに酒の甘ったるい匂いがした。
「酒。何飲める?」
「あ、じゃぁウーロンハイで。」
「ぷっ!見た目に似合わず、女の子みたいなの飲むんや笑」
「なっ\\\駄目っすか?」
「いやっ?まだ若いしいいと思うで?」
「『若い』て。笑 そちらはいくつなんすか?」
「『そちら』て。笑 ごめん、自己紹介まだやね。アタシは大宮早百合。歳は28ね。年上ゆうても、敬語とかあんま使わんでええからね?」
大宮さんは笑うと目の辺りがクシャっとなるみたいや。
親しみのあるなかなかの美人やと思う。
「彼氏とかおるんすか?」
あかん。
何ゆうてんねやろ、俺。
「ふふっ。どぉやろぉ??笑」
相手が酔っ払いでほんま良かった。
でも本気でおるんかきになって仕方がない。