笑顔だけじゃ物足りないから




「もぉー、どないしてん祐樹!調子悪いんちゃうかぁ?」



このオカン口調で俺に話しかける阿婆擦れ女は、宮野小枝。




「うっさいわ、こえだ。」



「『こえだ』ちゃうわっ!『さえ』や!!さ!え!!」



「ほんまにうっさいわ、小枝;」



秀哉にまでツッコまれた小枝は、俺らの高校の同級生。


まぁ、俺に至っては小学校んときからの幼なじみっちゅうもんになってまうけど。



小枝は、俺らのマネージャー的存在。



俺らからではなく、高校んとき小枝から申し出たんやけど…。



なんか、文化祭んとき俺らが漫才終えた瞬間こっちに走って来て、



「アンタらさいっこうや!いやぁー、感動したで。なんか、ビビっときたわ、うん!よっしゃ!!ウチがアンタらのファン1号になるわ。……いやっ、ちょぉ待ちぃ!マネージャー!マネージャーやったる!!!」



と。



こんなに『!』つくかねっちゅーくらい、いやいや、俺ら間近にいんねんから、そないに大声でしゃべらんでえぇやろ。って思うくらいに俺らに喋りかけた。



小枝がしゃべってるとき、俺は目が点になっとった。


たぶん秀哉も。





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