KISS ME !


起き上がろうとしてベットに左手をつくと、機械特有のガチャッという音が鳴った。
溜め息をついて前を向くと、見たかった壁の掲示物がどアップされる。


あたしに足はある。
あたしに臓器一式はある。
胴体だってちゃんとある。
胸は元々、ないけど。


けど、元々あったもので二つだけ、なくなったものがある。

大好きな人を抱きしめるための腕。
大好きな人を見つめるための目。


それぞれの左側が、あの時に吹っ飛んだ。
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