KISS ME !
だから今、あたしの左手は機械。左目も機械。
科学の進歩による裏と表を、一気に体験した気がする。
鬱な気持ちを忘れるためにあたしは頭を振って、それからベットから降りた。
今日の見回りは真田純子。意識を取り戻した時に傍にいてくれた人。
パニクってて『シンダさん』って呼んだ時以来、ずっとシンダさんって呼んでる。馴染んじゃったんだ、きっと。
だけど、一番仲の良い保護監視官だ。
この施設で唯一、あたしのことを保護だけしてくれる。
わくわくしながら、シンダさんとの話題のために、コーヒーとコーラをコップに注いで新聞を広げた。