KISS ME !


「で、どうしたの?」

あたしがコーヒーを飲み干して、シンダさんに声をかけると、あぁ、という短い返事が返ってきた。
そしてまたキラキラした目であたしを見つめる。

「そうそう、地下観覧の許可が下りたのよ!」

その言葉を、あたしは暫く理解できなかった。


地下の、観覧?
ごく一般人のあたしに、ここの責任者が?


それを聞いてみると、シンダさんはにこやかに言った。

「私、実は所長と関係があるの」

ちょっ、え?

「ここに来てしまったあなたは、もう普通には戻れない。
だから、あなたの退屈しのぎになると思って提案したら通っちゃたのよー」

は、い?
何、いってんの、この人!!

「……、え。
とりあえず、あたし、部屋から堂々と出れるの?」

叫びたいことを必死に堪えて、やっとのことで声が出た。
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