一方通行ラヴ
「…」
「…」
何も言わないゆうくんの横を早足で通り過ぎる
何も言ってくれないんでしょ?
少しでも期待した自分が馬鹿みたい
『好きだよ』って言ってくれるような気がして
あたしがずっとゆうくんのこと好きだったら
少しでもゆうくんに好きになってもらえるように
そうなったらいいなって思ってた
あたしの足音だけが廊下に響く
わかってる
どんどんゆうくんから遠ざかっていること
どんどん『彼女』じゃなくなっていること
あたしの大好きなゆうくんが離れていること
本当に行きどまってどこにも逃げ道はないってこと