ネモ的、SFファンタジー短編集
うたびと
うたびと
かつて、この国がまだ、小国の集まりだった時代。
神は人とともに住み、人ともに歩んでいた。
神の声は絶対であり、神と会話をできる巫女は神と同等の地位を持っていた。
しかし・・・時代は進む・・・。
産業革命。
後にそう呼ばれる、石油機器の発明。
そして、爆発的に起こる産業化・・・・軍事化・・・・・・・。
これは、そんな時代の変わり目の物語。
そうだ・・・・。
この物語を始める前に説明しておくことがあった。
人と神をつなぐ存在・・・巫女についてだ。
なぜ神は『彼女』たちとだけ、交信を許されていたのか・・・だ。
その理由はいたって簡単。
神は・・・彼女の『歌声』が好きだったのだ。
巫女は彼女たちの『歌』のみによって。その交信を許された。
ゆえに、彼女たちは別名こうも呼ばれている・・・。