ネモ的、SFファンタジー短編集
「ホントに、ロボットがあるよ・・・・・。」
そんなとてつもないドデカイ倉庫の中には一体のロボットが立ち構えていたのだ。
黄土色をした、一つ目の巨人。
いや・・・もちろん菜々にもこいつが何者かは分かっている。
ギア・ドールだ。
この世界では一般的に使われている、軍事兵器。
テレビでは何度か見たことがある。
実物も遠目なら一回だけ見たことがある。
・・・お母さんが死んだときだ・・・・。
だけど、こんなに近くで目にするのは生まれて初めてだった。
「すごい・・・ギア・ドールだよ。エルシャンク・・・私、始めてみるよ。」
にゃ~
相変わらずエルシャンクは能天気だ。
まったく、このすごさが猫には分からないの?
「誰のだろう?アルクのかな?キラのかな?海人のかな?」
足元に散らばる工具類を避けながら、恐る恐る黄土色のギア・ドールに近づく。
やっぱり大きい・・・。
近くに来ると、その巨大に思わず感嘆の息が漏れる。