ネモ的、SFファンタジー短編集

「誰や?」


 菜々が、思わずギアの足元に手を触れようとしたとたん、突然後ろから声が聞こえた。


「!」


 突然の声に、思わず手を引っ込めて、肩をすくめる菜々。
恐る恐る、後ろを振り向くと・・・


「なんや?やっぱり菜々とエルシャンクか、ここにいると怪我するで。」


 独特のイントネーションを持ったしゃべり方をする男。


 ・・・・・・・海人がいた。


「海人!このギア・ドール海人のなの?」


 思わず、声が張りあがる。


 すごい。


 ただの大人たちじゃないと思っていたけど、まさかギア・ドールを持ってるなんて・・・。


「別に、珍しいもんでもないやろう?このあたりの人間は、誰でもこれぐらいの機体ならもってるで。」


 あきれた声を上げながら、こちらに近づく海人。


 何が、そんなに珍しいんだ?


 その顔が言っている。


 それでも、菜々にしてみれば、すごい出来事。


 だって、ギア・ドールだよ。ロボットだよ。これ一機で、町ひとつ・・・・・・壊せちゃうんだよ・・・・・・・・・。


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