ネモ的、SFファンタジー短編集

「やったね!」


 海人につれられて、ギアのコックピットに乗せてもらう。


 もちろん、エルシャンクはお留守番だ。


 猫なんかが、ギアに乗ったら、それこそ何をするか分かったモンじゃない。


「すご~い。」


 初めて見るギア・ドールの内部は、わけの分からない契機でいっぱいだった。


 あ、これがモニターってヤツか。


 電源をつければこの真っ黒い画面に外の風景が映し出されるんだな。


 ってか、タバコくさいなぁ~


 海人、ギアの中では火気厳禁じゃないの?


「そうか?まぁ・・・始めてみればそりゃ、驚くかもな。」


 言うが早いが、海人はコックピットに腰かけ、菜々をその上のひざに乗せる。


「?」


 なんだろうと思ったが、すぐに理解した。


 海人が・・・ギアのエンジンをかけたのだ。


「海人!」


 思わず、笑みがこぼれる。


 すごい、すごい、すごい!


「アルクたちには内緒やぞ。」


「うん!」


 もちろんだよ。


 ありがとう海人。私一生忘れない!

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