ネモ的、SFファンタジー短編集

「こういうのも・・・悪くは無いな・・・。」


 小声で、海人がそんなことをつぶやいたのが聞こえた。


「え?」


「いや・・・なんでもない。そろそろ戻るで。」


 言うが早いが、海人は皐月の速度を落としたかと思うと、ゆっくりと倉庫の中に戻っていった。


「ありがとう、海人!」


 これ以上の言葉が思いつかない。


 一生忘れない。


 海人は、ギア・ドールをゲーム感覚で人を殺せるろくなマシーンじゃないといった。


 だけど、こんな体験はギア・ドールじゃなくちゃできない。


 よくよく考えたら、こんな楽しいマシーンを戦いの道具にしか思いつかないなんて、大人は馬鹿じゃないのか?


「どういたしまして。気が向いたら、また来ればエエ。エネルギーと金に余裕があれば、また乗せてやる。」


 にやりと笑う海人


 本当に!


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