ネモ的、SFファンタジー短編集
「それじゃあ、また来るから!」
手を振って倉庫を後にする。
来るときには、あんなに怖かったはずの階段も、帰り道はとても楽しかった。
また、来よう。
絶対に来よう。
もちろん、毎日行っては海人も迷惑だろうから日を見つけて、また絶対に遊びに行こう。
「エルシャンク、ここはすごいよね。」
倉庫で再び合流したエルシャンクに声をかける。
にゃ~?
エルシャンクは相変わらず能天気な鳴き声をあげるだけだ。
まったく猫はここのすごさが分からないんだから・・・。
「ここにいつまでも住んでいたいなぁ~。私もお金稼いでさ、ここでいつまでも海人たちと楽しく暮らして生きたいなぁ~。」
それは、少女のはかない願い。
小さな・・・本当に小さな少女の願い。
しかし・・・・・神は・・・・・そんな少女の小さな願すら、聞き入れようとはしなかった・・・・・。