ネモ的、SFファンタジー短編集
その4
まるで、ギャングだな。
サクラは、彼らを見て思った。
彼らの目の前には一人の男が座っている。
右端には海人と呼ばれる男が、腕を組む形で立っており、入り口には、キラと呼ばれる女性が、同じように腕を組む形で、壁に寄りかかっていた。
両方ともに、殺気立った目でこちらを睨んでいる。
彼らのポケットから覗かせる黒い物体は、どう考えても拳銃だろう。
スラムキングと呼ばれている、エルシャンクの所有者に連絡を取り付けたのが、先週。
まさか、彼らと会うことがこれほどまでに大変だとは、思いもよらなかった。
「それで、用件は?」
三人の護衛を連れて、彼らの元に会いに来たサクラと取り合ったのは、先ほどから自分と対面をきって座っている男。
アルクという男性だった。
すっかり、前評判から彼らのリーダーは海人だと思っていたが、違っていたらしい。
しかし・・・・・・彼ら三人のもつ威圧感はなんだ?
これが、20代そこその連中が持つ、若造の威圧感か・・・?