ネモ的、SFファンタジー短編集
「それはメールで教えた通り。あなた方の持っている猫は我々の所有物だ。返していただきたい。」
大人の対面を保ち、冷静に丁寧な言葉を使う。
しかし、仮にもこちらは訓練を受けた軍人。
一方、そちらはどんな総称を与えられていようが、ただの素人軍団。
いざ遣り合ったら、どちらが勝つかは火を見るより明らか。
立場をわきまえろ、若造共。
俺がココに出向いてやっただけでもありがたいんだ。
「細菌兵器仕様のため・・・ですか?」
にやりと笑う、アルク。
あまりにおぞましい笑顔。
背筋に冷や汗が流れたのが自分でも分かった。
「!」
「こちらが、それぐらいのことに対して調べていないと思ってでも?」
さらにアルクの笑みは深くなる。
こいつ・・・どこまで把握して我々に接触した。