ネモ的、SFファンタジー短編集

「3000万が欲しくないのかね?」


 この議論は無駄だ。


 お互いに『やる』『やらない』と言い合ったところで、根拠が無い、信用ができないのは両者に言えること。


 ならば、次の交渉。


 金銭交渉にかかるほうが頭のいい選択と言える。


「虎神は、5000万用意するといってますよ。」


 くっ・・・やはり、敵国も何かしらの手を打ってきていたか。


「ならば、こちらは1億用意しよう。」


 元々二億までなら、出すつもりだった。


 1億で済むなら安いものだ。


「やすいですね・・・戦争を終わらせる猫だ。ならば、最低でもこれぐらいは用意して欲しい。」


 言うと、アルクは人差し指と中指の二本の指を突き立てる。


「・・・・・・・二億か・・・足元を見るな・・・」


 だが、それぐらいなら何とか・・・。


「冗談でしょ?20億です。」


 なっ!


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