ネモ的、SFファンタジー短編集
「ふざけるな!そんな金額、国が買えるぞ!」
何を言い出すんだ、こいつは?
そんな金額が本当に出せると思っているのか?
「当然でしょ?その金額で国を買うんですよ。そうすれば俺たちは、あっという間に国王だ。一生遊んで暮らせる。」
なんだと!
「冗談ではない、話にならない。私たちを誰だと思っているのだ?」
立ち上がり、ポケットをまさぐる。
拳銃を取り出そうとしたのだ。
しかし・・・。
「遅すぎますね。」
護衛たちより早く、当然自分よりも早く、先ほどまで壁に寄りかかっていたはずの海人とキラの銃口が、自分のほうを向いていたのだ。
「なっ・・・・。」
なんと言う早業・・・。
護衛だって、もちろん自分だって軍事訓練を受けている。
いくら実験部隊に所属しているからとはいえ、銃の扱い方なら素人に負けるつもりは無かった。
しかし・・・こいつらはそれこそ前線部隊よりも早いと思われるほどのスピードで銃を構えていたのだ。
狙われているからこそ分かる。
彼らの狙いがいかに正確だというコトも・・・・。
こいつら・・・・・本当に素人なのか?