ネモ的、SFファンタジー短編集

「なっ!」


 対応できるはずも無いのだ。


 サクラが銃を取り出したのは見えていた。


 だから、撃つ相手は、自分がアルクか、キラだと思っていた。


 それだったら問題ない。


 この距離ならば、相手の銃口から軌道を読み、銃弾を避ける・・・まぁ、致命傷を避けるぐらいだが・・・の事ぐらいならやってのけれた。


 だが・・・菜々は違う。


 あんな近距離で・・・しかも、実の父親の銃弾・・・避けれるはずが無い。


「・・・・・・・・・・おとう・・・・さん・・・・?」


 貫通した左胸から鮮血を噴出し、口から血を吐き出しながら倒れこむ菜々。


 それは・・・・・・・あまりにグロテスク・・・。


 あまりに・・・・・残酷な光景・・・・・・。


「菜々!」


 キラが駆け寄ろうとして、海人とアルクが咄嗟に銃をサクラに向ける。


 ・・・・が


「動くな!」


 サクラの激昂が飛ぶ。


 この期に及んで何を言うか!


「動くな・・・・・・貴様たちも、これがなんであるか分からないでもあるまい?」


 しかし・・・サクラが取り出したのは、一粒の銀色をしたカプセル。


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