ネモ的、SFファンタジー短編集
「あ・・・・・・・・・キラ・・・・・・・・・・?」
弱弱しい菜々の声。
だけど、ココからでも聞こえるしっかりとした菜々の声。
痛々しい・・・
耳を防ぎたい。
目をそらしたい・・・。
・・・・・・・・・だけど、それはやってはいけない行為。
こんな事態を招いたのは他でもない・・・。
俺たちなのだ・・・・。
「もう、しゃべらなくていい。今病院につれいていくから、大丈夫だから!絶対、助かるから!」
キラの声は半狂乱に満ちている。
涙で、顔もぐしゃぐしゃだろう。
「・・・・・・・・・いいよ・・・・・・・・・・・もう・・・・・・・・・・・・・・・・いい・・・・・・・・・・・・。」
「しゃべらないで!!」
キラの言葉を菜々は聞こうとしない。
彼女の言葉は続く・・・。
「・・・・・・・・・・・あり・・・・がとう・・・・・たのし・・・・かった・・・・・・・。キラ・・・・・かいと・・・・・・ある・・・・く・・・。」
「ええから、黙ってろ菜々!」
思わず海人も声を張り上げた。
アルクは、もう電話を手に取っている。
しかし、彼女が撃たれたのは左胸・・・・・・・。
・・・・・・・致命傷だ・・・・・・・・。
・・・・・・・・・助からないのは、誰が見ても明らかだ・・・・・・・・。