ネモ的、SFファンタジー短編集

「菜々?・・・菜々?」


 キラが、必死に呼びかける。


 しかし、動かない。


 彼女は動かない・・・。


 銃弾の狙いは正確で・・・彼女の身体はそんな銃弾に耐えられるほど、強靭にはできていなくて・・・・・・・・・・。


「菜々!菜々!」


 キラの叫び声だけが鳴り響く・・・。


 キラの、嗚咽にも似た声だけが、リビングに鳴り響く。


 とめられたはずだった。


 こんな事態は、とめられるはずだった。


 雑な作戦。


 見張りを解きたいという、陳腐な・・・本当に陳腐な願い・・・。


 そして・・・・・・実の父親が娘を撃つはずが無い・・・という・・・
 

 ・・・・・・・油断・・・慢心・・・過失・・・・・・・。


 どんな言葉を使っても、一人の少女を見殺しにした罪は許される行為ではない。


 悪いのは、俺たちだ。


 彼女を殺したのは、他でもない・・・・・・俺たちなのだ・・・・・・。


 その罪は償わなければならない。


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