ネモ的、SFファンタジー短編集
「・・・・・死ぬなよ。」
それ対して、これがアルクの答え。
最後の最後・・・二人がそれぞれに向かう途中、再度目線が交わった。
それで十分。
それ以上の言葉はない。
海人は、アルクと別れ、地下に向かう。
彼らの家の地下には、一体の巨人が眠る部屋がある。
黄土色をした、6メートルの寸胴の巨人。
レバーを引くだけで・・・ペダルを踏むだけで、簡単に・・・本当に簡単に人を殺せ、町を壊せる、ろくでもないマシーン。
その名は、ギア・ドール・・・・『皐月』・・・・。
寸胴のボディには、戦闘用マシンガンと、二丁のバズーカー。
そして、6発の手榴弾と・・・・・・対ウィルス用に火炎放射器がつけられている。
装備は万が一に備えて、あの悪魔たちが家に来る前に施されたものだ。
できれば、使いたくなかった。
できれば、こんな使い道はしたくなかった。
このギアは本当に菜々を笑わせるための道具になっていて欲しかったのだ・・・。
子供は好きじゃない。
子供なんて、好きじゃなかった。
だけど、ひざの上で本当に楽しそうに笑う彼女を見たとき、思った。