ネモ的、SFファンタジー短編集

その6


 基地で構えていたのは合計13機にもなる量産型ギア・ドールだった。


 構えていたというコトは、来ることが分かっていたというコト。


 当たり前だ。


 アルクのハッキングは、もう数十分前から始まっている。


「止まれ!止まらないと撃つぞ!」


 基地を背にしての敵からの警告。


 聞くつもりは無い。


 聞き入れるつもりは毛頭ない。


 海人は皐月の速度を上げる。


 敵は基地を守るという名目で細菌兵器施設を背に構えている。


 彼らを撃ち落せば、あっという間に細菌兵器が蔓延するという仕組みだ。


 ・・・・・・・姑息な手を使う・・・・。


 だが、海人には関係ない。


 13機から撃たれるマシンガンの一斉掃射。


 網の目射撃。


 関係ない。


 穴はある。


 通れる道はある。


 海人は、さらに皐月の速度を上げる。


 器用に銃撃をかわし、一気に敵ギアとの距離をつめる。


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