ネモ的、SFファンタジー短編集
「・・・・・・・・0点。」
海人は、ぼそりとつぶやくと、先ほどまで手に持っていた拳銃をサクラに放り投げる。
「?」
あまりな奇怪な行動に、不思議そうな顔をするサクラ。
「そいつを受け取れ・・・弾は12発すべて入ってる。これで、イーブンや。」
弱いものいじめは趣味ではない。
自分とサクラでは、あまりに差がありすぎる。
だから、お前には銃を持つことを許そう。
そして・・・・・・・もし、その銃を俺に向けて撃ったのなら・・・・・・・・・・。
「敵に塩を送るとは、余裕だな・・・だが、それが仇になるぞ。若造が。」
ニヤリと笑い銃を受け取る、サクラ。
迷わず、自分に銃口を向けて発砲。
しかし・・・
「!」
この距離・・・そして、扱い慣れた銃の弾道。
俺に読みきれないと思ったか?
海人は、その一発を難なくかわすと、一気にサクラとの距離をつめて、強烈な蹴りを浴びせる。
「ぐっ!」
腹に強い一撃を受けて飛び引くサクラ。
まだだ!
「うぐっ!」
続いて、強烈な拳をサクラの頬に浴びせる。
あまりの強い衝撃に、口から血を吐き出し、再び倒れこむサクラ。