ネモ的、SFファンタジー短編集
「ぎざま・・・。」
サクラは充血した目でこちらを睨む。
なんてことを・・・なんてことをしてくれた?
目が言っている。
「安心しろ、お前が死んだ後、このあたり一体は俺が燃やしといてやる。」
ついでに、この基地にある細菌兵器もすべてな。
これでこの世界に細菌兵器は無くなる。
これで・・・エルシャンクは晴れて自由の身になれる・・・。
だから・・・・・・安心して眠れ・・・・・・・菜々・・・・・・・・。
「最後に礼を言わせてもらう・・・菜々を生んでくれて、ありがとう・・・・・・・・。」
振り向き、それだけは言わねばならないことだった。
こいつがいなければ、菜々は生まれなかった。
こいつがいなければ、俺たちはいつまでもあの愛らしい笑みに出会うことはなかった。
だから・・・・・。
・・・・・その一点だけはお前に感謝する。