ネモ的、SFファンタジー短編集

「アイツがワザワザ手紙を?」


 同じように、その名前を聞いてアルクも顔をしかめる。


 当たり前だ。


 リンババァが、まともな仕事を持ってくるはずが無い。


 できることなら断りたいが、財布と借金が果たしてそれを許してくれるか・・・・。


「一応、俺宛なんやな?貸してみ?」


 言うが、早いが海人はキラから封書を取り上げ、中身を取り出す。


 入っていたのは一枚の便箋。


 書かれていた内容は、『今日の正午、家まで来い。』


 ・・・・・・・・これだけだった。


「怪しいな・・・。」


 便箋の中身を盗み見見たアルクの言葉。


「そうね・・・でも、ココ見て・・・『報酬は最低でも3000万』って・・・すごい額よ。」


 キラが便箋の下の方に書いてあった文面を読み上げる。


「それが、逆にあやしいんやろう?このご時勢に、そんな大金の仕事依頼、絶対まともやないで。」


 考えなくても分かることだった。


 たとえ、皇帝の暗殺依頼だったとしてもこれだけの額は出ない。


 短い内容に、破格の報酬金額。


 これで、怪しむなというほうが無理な話だ。


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