ネモ的、SFファンタジー短編集

 海人が帰ってから、早々にやるべきことは決まっていた。


 ・・・・・・・・・猫の正体を調べる・・・・。


 ただの猫に3000万。


 仕事を引き受けたとはいえ、調べないわけには行かない。


「エルシャンク・・・まぁ、写真から判断するにただの雑種だね。おそらくアビニシアンと日本猫の中間かと・・・。」


 アルクがパソコンからプリントアウトしてきた紙を眺めながら口にする。


 さすがに、コノ手の調べ者は早い。


「ただの、雑種に3000万?」


 キラの質問。


「種類なんて関係ないやろう?それで、コノ猫にはどんな秘密があるねん?」


 聞きたいのはそこだ。


 最初からただの品種というだけで、でコノ猫にこれほどの高額な値段がついたとは考えていない。


 どんな秘密が隠れているのか?


 海人が聞きたいのは、ただその一点である。


「まぁ、待ちなよ・・・。話はたぶん海人たちが考えているより複雑だ。」


 ・・・・・・・・?
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