ネモ的、SFファンタジー短編集

「お前・・・!」


 白い集団の中の一人がその男に飛び掛ろうとする。


 しかし、それを制するほかの白い男。


 なにやら耳打ちしているようだ。


「ま・・・まさか、こいつが・・・黄土色ギアの?」


 耳打ちされた白い男から、そんな声が聞こえた。


「そうだ、下手に手を出さないほうがいい。こいつのバックボーンには獅子刀組がついているという噂もある。」


 今度はハッキリと聞き取れた。


 実はあの人は、とても恐ろしい男なのでは・・・?


 そんな考えがよぎったが、菜々の目に映る男からはとてもそんなことは想像できなかった。


 そして、なにやらゴショゴショと白い集団が小声で話し合ったと思うと。


「失礼した・・・。あとは、あなたたちにお任せする。」


 とだけ口にして、白い男たちは私たちの元から去っていった。


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