ネモ的、SFファンタジー短編集
キャハハハ!
ちょっと、おとなしくしなさい!ほら髪の毛洗うからそこに座って!
海人たちが住む家の端に設置されている、シャワー室から、黄色い声が飛び交う。
キラと先ほど助けた少女・・・菜々のものだ。
助けたとき、彼女の姿はあまりにみすぼらしく・・・いいにくいことだが、非常に匂っていた。
一応、女の子というコトでキラが一緒にお風呂に入っているが、別にあの年齢なら一人でだって、風呂ぐらい入れるだろうに・・・。
「で・・・どうするんだよ?」
そんな中、リビングでは二人の男が向かい合う形で座っていた。
お互いに、両腕と足を組んだ姿勢でタバコをくわえ、目線をあわせようとしない。
コメカミに青筋を浮かべて怒りをあらわにしているのは、両方共だ。
「知るか。」
アルクの質問に対して、海人は短い返事を返す。
アルクたちの足元では、ミルクを美味しそうに舐める灰猫・・・エルシャンクの姿がある。
世界の命運を握る猫。
素性の知れない少女。
そして・・・それら二人が自分たちの家にいることを既に知っているアトランテ軍。
どれを取っても、大問題だ。