ネモ的、SFファンタジー短編集
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本当に、長い長い沈黙の間。
真っ先に口を開いたのは、この家の家主だった。
「はぁ~分かったよ。好きなだけ家にいればいいよ。・・・だけど、この家にもいてもたいしたものは食えないからね。」
紫煙とため息まじりのアルクの言葉。
それが、答え。
「いいの!?」
菜々が顔を上げて嬉しそうな顔をする。
ありがとう!
言わなくても、その表情が言っていた。
「はぁ~・・・。」
再びにアルクの口から紫煙とため息が漏れる。
そして、そのままアルクの目線は海人の元に・・・。
口にしなくても何が言いたいかぐらいか分かる。
・・・・どうするんだ?問題がまた一つ増えたぞ。
「まぁ、しゃあないやろうな・・・。」
しかしアルクが決定した以上、自分は何も言えない。
世界の命運を握る猫。
それと一緒にいた素性の知れない少女。
そして、その事実をすべて把握し、自分たちを睨み続けるアトランテ軍。
・・・・・・・・・・さらには、帰る家を失い、また一人養わなければならなくなった海人たち一行。
非常ににぎやかとなったこの浮浪者たちの家に、今世界の運命が握られる形となったのだった・・・。