ネモ的、SFファンタジー短編集
上層部から受け取ったウィルスを、厳重に保管して慎重に培養して、来る日も来る日もモルモットに散布し続けた。
一応、ウィルスに対抗できる突然変異が生まれる可能性は1%といわれているが、100体やれば、必ず生まれるとは限らない。
その1%が、最初の一匹で生まれるときもあれば、1000体やっても生まれないときがある。
既に、500匹以上のモルモットが死滅していた。
・・・・・・・もはや、これほどのウィルスに対抗できるワクチンを作るなんて不可能ではないのだろうか?
思った矢先に、彼の元に一匹の猫が現れた。
基地の近くで、食堂から出る残飯をあさり生き延びていた灰色の野良猫。