あ い た く



「余りにも良い匂いがするから…」



そう言うとイタズラをした子供の様に微笑み


「頭から突っ込んじゃった」


「突っ込んだって…」



予想外の答えに驚いて、彼の髪の毛に視線をやる



「あ…」



彼の言葉のとおり頭にも小さな薄ピンク色の花があちこちに付いていた




「いっぱい付いてますよ」



大人の男の人が髪の毛にたくさんの花を付けている様子がおかしくて笑みが零れる



「あ、ホント?」



照れた様子もなく彼はただ頭を振って花を落とそうと試みる


けれど、柔らかそうな髪の毛についた小さな花は落ちる事はない




「取りますよ」



アッシュグレーの髪に手を伸ばす

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