あ い た く
「ちょっと狭いけど乗って」
連れて来られたのはよく見かける"佐山急便"のトラック
助手席を開けてあたしの乗せると運転席に乗り込む
「どうしよ、むぎ死んじゃったら」
膝の上で丸まっている"むぎ"を見つめる
あたしの弱音と一緒に涙が零れ落ちた
「大丈夫
絶対助けるから」
流生さんの大きな手があたしの頭に触れた
"大丈夫"と言い聞かせるように頭をくしゃくしゃに撫でる
「だから泣かないで…ね?」
優しいミントグリーンの瞳が語りかける
「……」
声を出す事なくただ頷いた