あ い た く



何も言えないあたしを尻目にどんどんと言葉を続ける


「無垢で白くて…かわいい」


「……」




ただ顔を赤くするしか出来ない




「けど…」



信号で止まった瞬間、流生さんの大きな手があたしの髪の毛に触れた


骨張った指先に絡める



ミントグリーンの瞳が対向車のライトを浴びて妖しく輝く







「自分の手で穢したくなる」





―――ドクン―――



胸に熱い鼓動が響く



頭の中では警報が鳴っている



この人はアブナイ




ハマったら抜け出せないと――――




< 45 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop