あ い た く




「……」


微笑むあたしに流生さんはただ何も言わず


ミントグリーンの瞳が細められる





ゆっくりと大きな掌があたしの両頬に触れ






四葉のクローバーの"しおり"越しにキスを降らした




「……」


「……」




一瞬のキスの後









「早く俺に囚われなよ」



耳元に甘い言葉を残して



カレは部屋を出て行った








「―――流生さん?」



流生さんの出て行った扉を見つめながら

力の抜けた足は崩れ落ちて床に吸い寄せられた




< 50 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop