あ い た く
最後に流生さんと会ってから、もう半月が経とうとしていた
「はぁ…」
流生さんに会えない所為か最近ため息が多い
…ううん、それだけじゃない
最後にあった流生さんの瞳が忘れなれない
どこか切なそうで…
苦しそうだった
「何か出来る事はないですか?」
窓の外に視線を流して流生さんを想った
あたしの気分に同調してか外は冷たい雨が降っている
アパートの敷地内に咲き始めた桜が雨で落ちてしまう
「花冷えの雨だね」
暗闇の中、淡いピンクの光を放つ桜を見つめる