あ い た く
―――ピンポーン―――
時間帯にはそぐわない機械音が部屋に響く
「え?こんな時間に何?」
時計を見れば日付が変わりそうなほどだった
「どなたですか?」
一応、警戒してドアを開けずに尋ねる
でも、外から聞こえてきた声は"はっ"とする人の声だった
急いでドアの扉を開けると、そこに居たのは…
あたしが会いたいと願っていた人
「流生さん…」
「ごめんね、こんな遅くに…」
どこか覇気のない声
よく見るとアッシュグレーの髪からは透明な雫がぽたぽたと落ちてきていた