あ い た く



「あたしがこうしたくて、したんです」


「結依ちゃん?強がらなくていいんだよ」



流生さんの指先があたしの頬に触れる




暖かい指先が…



「だって結依ちゃん泣いてんじゃん」


「え?」



この時初めて自分が泣いているのに気付いた



「こ…これは、その…


流生さんの髪の雫じゃないかな?」




なんとも苦しい言い訳



流生さんの髪は湿っているけれど、雫を落とす程ではなかった



「あたし、本当に流生さんと"こう"したかったんです」



まっすぐ瞳を見つめながら呟く


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