あ い た く
ただ
"どうして?"
そればかり…
「あたしじゃ駄目だった…?」
静かに涙が零れた――――
気付けばあたしは流生さんの事を何も知らない
"佐山急便の加地流生"としか…
何処に住んでいるとか
電話番号とかメアドとか
ましてや田舎が何処なのかなんて知らない
「どうする事も出来ないの?」
その時、ある一人の人を思い出した
「あの人なら!!」
零れた涙を拭いて立ち上がった
その人に会う為に―――