あ い た く



ただ


"どうして?"




そればかり…



「あたしじゃ駄目だった…?」




静かに涙が零れた――――




気付けばあたしは流生さんの事を何も知らない




"佐山急便の加地流生"としか…




何処に住んでいるとか


電話番号とかメアドとか



ましてや田舎が何処なのかなんて知らない




「どうする事も出来ないの?」




その時、ある一人の人を思い出した




「あの人なら!!」


零れた涙を拭いて立ち上がった



その人に会う為に―――


< 70 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop