あ い た く
「そんな俺を心配してか、彼女は旅立つ間際
俺にある一つの贈り物をしてくれた」
「贈り……物?」
「そう結依ちゃんに渡したクローバーのしおりだよ」
そんな大事なモノを…?
あたしが持ってて良い訳ない
歪む視界の中
手帳を取り出し"しおり"を流生さんの前に差し出した
「コレは結依ちゃんにあげたんだから持ってていいだよ?」
「でも…」
首を振ってしまったら涙も散ってしまいそうで…
ただ流生さんの瞳を見つめた