きっと、救えるよね。。
なんてこと…。

ふざけんなよ。

何で。

今、状況を聞いて、今日か明日なんて。

おとんになんて言えばいいだろう。

私達3人は、沈黙になった。
このまま、父が苦しむ姿だけを待てってこと。

運命って、こんなことなん。
あんなに、移植も頑張って回復したのに。

私には、何も出来ないの。
悲しすぎる時間だった。

先生。父には言わないで下さい。

あまりにも残酷なんで。

ただ、白血病が再発しているので、輸血は必要になります。本人には、再発したことだけは、伝えなければいけません。

わかりました。

ただ、もう手のほどこしようがないということは言わないで下さい。

すると、母は、父に本当のことを伝えて挙げたいと言った。

兄も、母がそう思うなら母の思うようにさせて挙げろと言った。

それでも、私は、母と兄に
私の判断が間違っているかもしれないし、母にも、父にも悔いを残させてしまうかもしれない。

父の命が、あと1ヶ月、3ヶ月、半年、一年だと告げられていたら、私は父に本当のことを伝えていたかもしれません。

だけど、もうすでに父の呼吸は、息が荒く、乱れていたのです。

とても、しんどそうで苦しい時に、また、上からもう無理だなんて、どんなに綺麗な言葉を告げても、患者本人には、恐怖しか残らないかもしれません。

私は、癌宣告を受けた時に毎日が怖くて、眠りにつけませんでした。

だから、どれ程怖いことか、自分がよく理解していたからなのです。

病と闘う本人は、壮絶な苦しみです。だから、私は、言わない方が、父にとってもっと。複雑でした。

言って助かるのなら。言っても、言わなくても、父の体や意識は、苦しむのだから。これ以上苦しめなくていいんじゃないかって、判断しました。
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